正月に向け「南天」出荷本格化

JAみなみ信州
集荷した南天の検品作業をする職員
集荷した南天の検品作業をする職員

豊丘村のJAみなみ信州総合集荷販売センターでは、正月商材「南天」の出荷が最盛期を迎えている。3日には約1,200ケース(1ケース5kg)を受け入れ、同JA職員が1箱ずつ検品作業を行った。同JAでおよそ220人の生産者によって栽培される南天の生産量は県内でもトップクラス。軽量で扱いやすいことから、中山間地が多い同JA管内では傾斜を活用した南天栽培が盛んに行われている。出荷形態は主流の房のみと、枝つきの2種類で主に正月飾りとして加工される。
この日南天を出荷した豊丘村の西元敏明さん(78)は「今年は量もしっかりとあり良いものができている。市田柿の作業もあり忙しい中だが、妻とふたりで丁寧に収穫している。週末には子どもたちも手伝いに来て、一斉に作業する」と話した。
今年は豊作で実がしっかりとついた高品質な南天が出荷されている。気温が高く遅れていた色付きも11月中旬以降の冷え込みにより進んでいる。1日から始まった房南天の出荷はこの日までをピークに、10日から枝南天の出荷が始まり17日頃まで続く。今年の出荷を3,100ケース(前年比135%)と見込み、関西を中心に関東・中京へと出荷する。
同JA営農部農産課の下井郁夫係長は「生産者は短期集中の出荷に精を出し高品質なものを出荷してくれています。南信州産の南天で多くの方に華やかにお正月を迎えてもらいたい。省力で栽培できるため空いた土地の活用にもおすすめの品目。ぜひ栽培を検討してもらいたい」と話した。
南天は「災難を転じる」と言われ、古くから縁起物として好まれ魔除け・厄除け・無病息災を願い多くの家庭で栽培されてきた。市場からは「安定した出荷量があり高品質な産地」として期待され安定した需要がある。同JAでは生産者が毎年苗木の新植に取り組み、生産量維持・拡大を図っている。

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