長野県とJA上伊那は7月21日、宮田村の圃場でナシ省力樹形導入検討・紋羽病防除研修会を開いた。栽培技術の向上と病害対策を周知し、高品質な果実生産を図ることが目的。長野県内の生産者や果実栽培関係者、JA担当職員ら約50人が出席。平棚ジョイント栽培やV字ジョイント栽培、紋羽病対策などについて情報を共有した。
同JAは、慣行栽培よりも早期成園化が見込める平棚ジョイント栽培と、作業時間を大幅に削減できるV字ジョイント栽培を、10年以上前から試験導入している。樹形や枝の位置が単純になるため、作業時間の短縮や労力軽減などに期待が高まっている。
当日は、同村で平棚ジョイント栽培50アール、V字ジョイント栽培60アールに取り組んでいる伊藤拓也さんの圃場で、長野県の担当職員がジョイント栽培の利点や課題を説明した。
平棚ジョイント栽培は既存の棚の利用が可能で、樹形や動線を単純化できる。V字ジョイント栽培では、枝を誘引させ支持するためのトレリスが必要なものの、管理や収穫時の上向きの作業が改善され、作業負担の軽減を図ることが可能。一方、栽植距離により大苗の使用が必要となり、約2年間の育苗期間を要することや、曲げ込み作業時に枝が折れないよう補強が必要になることから、品目ごとに栽培技術の普及を図るとした。また、機械メーカー2社が、自動追従運搬車や自動走行型の噴霧機器を紹介した。
その後、新植や改植時に課題となっている紋羽病対策について説明した。果樹の根を腐敗させ衰弱させる紋羽病の病原菌は、土壌のどこにでも存在し防除が困難と指摘。予防対策や早期診断、治療対策に努め、被害拡大や再感染を防ぐよう呼びかけた。
JA担当職員は「伊藤さんのように大きい面積で栽培をしている事例があることは、上伊那地域の大きな強み。成木になるまでの、苗木の管理や病害虫対策などの課題を県やJAが一体となってサポートし、ナシの安定供給と産地の維持につなげたい」と話した。