米粉ラーメンをスペインへ輸出に第一歩

JA大北
覚書を手にするジェニス氏(左)、JA大北の武井組合長(中央)、JFEの河村代表(長野県大町市で)
覚書を手にするジェニス氏(左)、JA大北の武井組合長(中央)、JFEの河村代表(長野県大町市で)

長野県のJA大北(本所=大町市)は4月24日、米粉ラーメンのスペイン輸出に向けた合意覚書を交わした。覚書には、同JAの武井宏文組合長、輸出仲介を担うJFE(ジャパン エヴォリューション フーズ)の河村光基代表、さらにスペイン・カタルーニャ州で5月23日に開く日本文化祭の総括責任者を務めるジェニス・カステリョ氏の3者が署名した。
同JAの米粉ラーメンは8年前、地域産米を活用した加工品として、また小麦アレルギー者向けに開発されたもの。他に米粉パスタと同うどんがあり、国内でも一定の需要がある。スペインでもラーメンは人気だが、人口の1割程度が小麦アレルギーであり、グルテンフリー食品の需要が高まっていることから、米粉麺への関心が寄せられ、昨年から輸出に向けた協議が進められてきた。
覚書では、期限は設けず輸出用の試作品を製作し、現地市場での反応を踏まえて本格展開を目指す方針を確認。まずは5月22日にスペインで行われる同祭の前夜祭で、現状の麺を現地の業者向けに提供する。
今回の取り組みの背景には、これまでの文化交流の積み重ねがある。同JAが大町市から受託している南部包括支援センターが6年前から取り組む介護予防体操「信州そば切り音頭~骨こつ南部包括バージョン~」を、2024年3月にスペインのカタルーニャ州イバルス・ドゥルジェイで開かれた日本文化祭「ブラ・ドゥルジェイ日本文化祭」で初披露し、以来、双方をオンラインで繋ぎ、2024年7月には同州一行が大町市を訪れるなど交流を深めている。仲介には、そば切り音頭の親で、スペインと交流の深い松本市浅間にあるホテル玉之湯の山﨑良弘会長が務めた。
今年4月23日には、大町市南部小学校の児童クラブと同州の小学校をオンラインで結び交流を実施。相互理解を深める活動を続けてきた。こうした文化交流が、ビジネス分野へも広がりを見せるきっかけとなった。
ジェニス氏は「友人の子ども小麦アレルギー。交流が深まり、この地のお米で作った麺をそうした方々に食べていただき、日本の食文化を提供していきたい」と話す。
河村氏は「食文化の橋渡しの第一歩。スペインとの流通が出来るよう展開していきたい」と意欲を話した。
武井組合長は「大北地域の米を使った商品が海外に広がることは、生産者の励みになる。米の新たな需要創出につながる取り組みとして期待している」と話す。
輸出入の規制やそれに伴う新たな麵用米粉の開発、製麺等クリアしなければならない問題があるが、3者とも「前向きに1歩ずつ解決していきたい」と話す。
国内で米消費が減少する中、加工品輸出は産地にとって重要な戦略の一つ。文化交流を土台にした今回の覚書締結に同JAでは「地域農産物・加工品の海外展開に向けた新たな一歩」と期待する。

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