寒風が育む伝統保存食「凍りもち作り」

JA大北
吊るした凍り餅を手直す会員ら
吊るした凍り餅を手直す会員ら

大町市常盤須沼の農産物直売所「かたくり」で1月7日から20日まで同直売所の凍りもち部会(曽根原叶子代表)18人による、冬の寒さを活かした伝統食品「凍りもち」作りが行われた。
同直売所では、伝統食品を商品化し、食文化の継承と地域の活性化、米の消費拡大を図ろうと30年前から地区の農家女性が中心となって「凍り餅」づくりを始めた。凍り餅部会の会員が地元で契約栽培するもち米「もちひかり」を蒸かし、4人の男性農家が協力して臼と杵でつく。つきあがった餅は、板で作った型に乗せて均等に伸ばして冷まし、4センチ×7センチ四方に切り分けて和紙で包み、10個をひもで1連にする作業を日中に行う。連にした餅は大きな水槽に2日間浸した後、氷点下になる夜間に軒下に吊るす。約2ヶ月間、寒風にさらし、乾燥させるとサクサクとした食感の凍り餅に仕上がる。夜間の氷点下で凍り、昼間溶ける状態を繰り返しながら徐々に乾燥させることが重要で、昔から大町市で作られていた伝統食だ。北アルプスから寒気を伴った「岳おろし」と呼ばれる風が吹くことで「凍り餅」作りには最適な条件を持つ地域だ。今年は約1500kgのもち米で4000連(餅40,000個)を作る。
食べ方は様々で、水に浸し戻して食べたり、揚げたりして食べるほか、長期保存もできるため、非常食にもなる。凍り餅の特徴として、もち本来の自然な味で、水で戻した時には固まらず、液状になるため、離乳食や介護食としての需要もある。曽根原代表は「今年は1月中旬に寒さが緩んだが、以降は寒気が入る予報で凍りもち作りには最適となる。伝統の味を多くの人に楽しんでいただけるよう、心を込めて作りたい」と話した。吊るしてから約2か月で出来上がる。「凍り餅」は3月上旬の同直売所オープン時から販売する。

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