八ヶ岳西麓地域共生会議農業分科会は12月24日、八ヶ岳西麓りんご生産アカデミー開講式を茅野市役所で開いた。JA信州諏訪・長野県諏訪農業農村支援センター・市町村が連携し、将来の〝新たなリンゴ産地〟実現に向け生産者の確保・育成を進める事業。受講生39人が2026年より、月1~2回の講義を受講し、定植・防除・施肥などの栽培管理を学ぶ。
既存のリンゴ産地では、温暖化の進行により品質等に影響が発生している。当地域の高い標高による冷涼な気候に加え、物流面では首都圏や中京圏に近いという立地条件からも将来の新たな産地としての優位性がある。さらに、現在普及が進む新栽培技術「高密植栽培」を導入することで、小面積でも早期に安定した所得を確保できるため新規参入しやすく、すでに同技術に取組む若手農家も現れている。これらの背景から、「八ヶ岳西麓りんご生産アカデミー」が設立された。
JAは、小林昇経済事業本部常務理事が副校長を務め、JA営農部職員が営農指導・販売・資材供給などの役割を果たす。
この日は、受講生・八ヶ岳西麓地域共生会議農業分科会・行政・JA関係者ら約100人が出席した。受講生1人ひとりに受講許可証を交付。元長野県果樹試験場長の小池洋男校長が特別講義として、高密植栽培について説明を行った。
小池校長は「高密植栽培は、世界の高標高地域と同じように八ヶ岳西麓地域でも導入できる。基本を守れば剪定作業も難しくないので、産地化の夢をもって1年間勉強してほしい」と呼びかけた。
受講者の伊東隼介さん(41)は「数年前から果樹を栽培してみたいと思っていた。つくって、食べて、出荷する喜びを味わいたい」と抱負を述べた。
JAの小平淳組合長は「JA・県・市町村が連携して産地形成を進める素晴らしい事業。JAは皆さんが栽培した大切なリンゴを取り扱う事業者として責任を持って参画する。取組みを通して、地域農業、ひいては日本の農業を発展させていきたい」とあいさつした。
初回講座は1月に開催され、講義と実習を行う予定。茅野市で高密栽培に取組む、野口果樹園代表の野口昂大さん(32)の園地の見学やJA職員が必要資材や経営に関する説明を行う計画だ。