JA信州諏訪営農部は2025年度、ぶどう生産者組織「JA信州諏訪生食用ぶどう研究会」を発足した。12月現在、生産者21人が参加。営農指導員が全ほ場を巡回し、正しく統一した栽培・管理を行っている。高標高地帯でのぶどうの栽培の確立、直売所などへの出荷に向け、着実な歩みを進めている。
高冷地の諏訪地域ではこれまで、ぶどうの栽培は難しいと考えられていた。しかし、近年の温暖化の影響や新たな栽培技術により良質なぶどうが栽培できる地域となりつつある。
同組織は、JA3カ年計画(2025~2027年度)に付属する地域農業振興計画書に基づき、農業生産の維持拡大・JAの持続可能な経営基盤の確立に向けて発足。栽培講習会の開催や出荷規格・各種出荷用資材の提案、販売ルートの確保、栽培技術の周知・平準化に向けた活動ができる環境を整えた。
12月9日、同組織事務局のJA原村営農センターの森山直光所長代理が、原村の田中智文さん(78)のシャインマスカットほ場を巡回。田中さん・菊池美喜雄さん(86)とともに、冬季管理として枝を30センチほど残しておく「荒せん定」や主幹部を稲わらで巻く「わら巻き」などの方法を確認した。
田中さんは「生産者組織の立ち上げで、生産者が増え、生産量も拡大すればうれしい。諏訪地域でも今後はおいしいぶどうが栽培できると思う」と期待を寄せた。
同組織事務局のJA原村営農センターの森山直光所長代理は「JA主催の栽培講習会等で得た高い技術を、研究会で役立てていきたい。ぜひ多くの方に入会いただき、会員皆で均一な品質のぶどうを栽培し、出荷に繋げていきたい」と抱負を語った。