JA上伊那と各行政が協力して行うリンゴオーナーの収穫祭が11月、管内各地で開かれた。今年は伊那市や箕輪町、宮田村の園地で合計450本を契約。それぞれの園地を訪れたオーナーは、7月の契約会で選んだリンゴの木から家族らと協力しながら収穫し、園主らとの交流を楽しんだ。
リンゴオーナー制度は30年以上続き、再契約者が8割を超えるほど毎年人気の取り組みだ。上伊那の生産者と都市部を中心とした消費者の交流や、地域活性化などが目的。オーナーが収穫体験や新鮮なリンゴを味わうことができると同時に、生産者の収穫作業の負担軽減につながる。今年は、JAの主力品種「ふじ」や「シナノゴールド」、「シナノスイート」でオーナーを受け入れた。
23日、同村で開かれた収穫祭には61組が参加。村内8戸の園地に分かれ、真っ赤に実った「ふじ」の収穫を楽しんだ。
伊那市と宮田村から訪れた家族は「3世代で体験したいと今年初めて申し込んだ。地元にいてもなかなか経験する機会がなく、貴重な体験になった。家に帰って食べるのはもちろん楽しみだが、青空に真っ赤なリンゴが輝く、このきれいな景色が子どもたちの思い出に残ればうれしい」と笑顔を見せた。
長年オーナーを受け入れている樋屋喜代美さん(65)は「今年は台風の影響もなく良いリンゴに仕上がった。毎年、楽しみにしているオーナーがたくさんいるので、少しでも多くの方を受け入れられるように広げていきたい」と話した。