JA上伊那花き部会トルコギキョウ専門部は11月19日、出荷反省会を伊那市のJA本所で開いた。2025年度は出荷数量約225万本、販売金額約3億2,300万円(11月末)。この日は、販売経過や26年度の生産販売方針を説明し、さらなる生産拡大に向けて情報を共有した。
トルコギキョウはJAの主力品目の一つ。上伊那地域で育種したオリジナル品種が特徴で、上伊那地域に合った特性や耐病性、他地域にはない花色など、多様な品種を出荷している。葬儀やブライダルなどにも幅広く使われ、市場からの需要が高い。
この日は、専門部役員や13市場の担当者、JA役職員ら82人が出席。生産販売状況について、産地と市場で情報を共有した。また、試作4品種を展示し、花型や色などについて意見を寄せた。
25年度は、定植時期の降雨の影響による根腐れや猛暑日の増加による早期開花・草丈に伸び悩んだが、栽培管理の徹底により出荷数量や品質の確保に努めた。
市場担当者は「トルコギキョウは花持ちが良いため需要が高い」「上伊那は、盆や彼岸などの需要期の出荷数量が確保され、実需者の幅広い需要に応えられた」と評価。高温による日持ちの懸念から使用直前に仕入れる小売店や仲卸が増えたことを共有し、「全国的に栽培に苦労している中で上伊那の安定出荷は心強い。さらなる出荷をお願いしたい」と期待した。
26年度はより安定した出荷を目指し、高温や病害虫に強いオリジナル品種の検討や、土壌消毒の徹底、育苗管理に種子冷蔵や新技術を試験的に導入していく。
山﨑正人専門部長は「市場からの評価は、暑さの中でも苦労しながら取り組んできたことへの評価だ。今年度の反省を、来年度の栽培に活かしていこう」と呼びかけた。