地域の伝統行事を体験 収穫祭で繭玉・餅花づくり

JAみなみ信州
繭玉と餅花を飾り付ける住民ら
繭玉と餅花を飾り付ける住民ら

飯田市の川路まちづくり委員会、飯田市農業振興センター、JAみなみ信州農家組合長会、川路女性組織ロロンの会などで構成する川路地区農業振興会議(関島道明会長)は、15日、同JA川路事業所で収穫感謝祭を行った。かつて養蚕が盛んだった同地区の伝統行事「繭玉・餅花づくり」を地域皆で行い、今年の収穫に感謝した。
この日は大人から子どもまで地域住民50人ほどが集まり、にぎやかに餅つき、繭玉・餅花をつくり飾り付けを楽しんだ。繭玉は米粉を使い2~3㎝程の繭に見立ててサカキの枝先に飾り付け、餅花は1㎝角に切り分けた餅を葉を取った竹に飾り秋の稲穂に見立てた。飾り付けの後には餅や米粉で作った繭玉を参加者みんなで味わい、今年の収穫に感謝した。繭玉と餅花の飾りは川路小学校、川路保育園、川路自治振興センター、天竜峡観光案内所などに飾る。
関島会長は「大勢の参加やご協力をいただき今年も収穫の喜びを共有することができた。多くの若い世代にも知ってもらい、地域の伝統を受け継いでいきたい」と話した。
同地区は、かつて稲作と日本三大桑園といわれるほど養蚕が盛んで、昭和5年には同地区で140トンの繭が生産される地域の重要な産業だった。当時、豊作祈願に小正月の玄関や神棚などの飾りとして同地区の各家庭で繭玉・餅花づくりを行っていたが、蚕糸業の衰退とともにこうした伝統も失いつつあったことから、昭和53年頃から同JA養蚕部会主体で収穫祭として始まった。また平成18年から子どもたちにも知ってもらおうと、小学生と保護者にも声をかけ一緒に飾り付けを行っている。コロナ禍で一時縮小したが、今年は大勢が集い賑やかに開催された。

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