長野県内で有数のジュース用トマトの出荷量を誇るJA松本ハイランドジュース用トマト部会の部会員2人が、一般社団法人全国トマト工業会から表彰を受けた。 同工業会は、加工用トマトの品質向上や生産者支援、食育活動などに取り組んでおり、現在25社が会員として参加している。
表彰式は11月12日、まつもと市民芸術館で開かれた「令和7年度長野県ジュース用トマト生産振興研修会」で行われた。研修会では、次年度以降の安定生産を目指し、県内JAと6社が共同で実施した生産性向上対策試験の優良事例も報告された。
株式会社ナガノトマト社長で同工業会の井垣孝夫副会長はあいさつで「今年は高温干ばつのため、長野県全体のトマトの収量は前年量を割っている。空梅雨や局地的な雨により、6月の着花量が少なかった。猛暑日が続き生産者は収穫も大変だったと思う。本日の研修で情報を共有し、次年度以降の単収増加に繋げて欲しい」と期待した。トマトジュースの消費量は健康志向の強い消費者の拡大に伴い、年々増加傾向にある。国産品を求める声が強く、供給量の維持が求められ、高温に対応できる新品種の研究が進められている。
優良農家表彰では多収穫の部に同JAジュース用トマト部会の百瀬郁夫さんが『全国トマト工業会長賞』を、大規模生産の部に同部会の中川廣さんが『全農長野本部長賞』を受賞。百瀬さんは部会で8トンを収穫目標とするなか、県内で1番となる単収約15トンを達成。「土づくりを徹底し、木を太く育てることに気をつけている。猛暑も手伝い今期は2回大きな実を収穫することができた」と話す。また、中川さんは45アールの規模の農地で農福連携事業を展開し「夫婦で経営し、多くの方の手を借りながら量を維持している。今後も安定生産に努めたい」と話した。