JAみなみ信州は14日、県の輸出促進事業の一つとして行う「NAGANO農産物輸出拡大事業」の視察先として、世界最大の花のマーケットであるアメリカ合衆国の花きバイヤー2人の見学を受け入れた。14~16日の3日間で同JA管内のほか県内のほ場5カ所を視察した。生産現場を見ることで日本の生産者の技術の高さや栽培環境を知り高品質花き生産の理解を深め、今後の販路拡大につなげる目的。市場関係者、長野県職員、同JA職員が同行した。
この日は、松川町の生産者のほ場を視察し、海外で人気のある「オキシペタラム」のほか「ダリア」や草花、枝物類などの生産現場を確認。バイヤーは普段の管理作業の様子を知りたいと、一緒に簡単な作業をしながら生産コストや収益性について質問していた。南信州で多く生産させている「ユーカリ類」や「コニファー類」などの枝物はニューヨークのマーケットでは販売が難しいとされているが、バイヤーの反応が良く今後の販路拡大に期待が持てる視察となった。
長野県農政部園芸畜産課の荻原麻琴係長は「元々輸出需要の高いオキシペタラムや枝物とともにダリアの輸出拡大も視野に新しい商材を紹介し、今後も世界に向けて販路を広げていきたい」と話した。
同JA営農部農産課の塚平涼係長は「市場を通して海外でも南信州の花きへの需要が高まっていると感じている。多品目生産の強みを生かして、海外のニーズにも対応できる産地づくりに取り組んでいきたい」と話した。
同事業では2024年~2028年度までの5年計画で、28年度に花きの海外輸出金額1億円(24年度年度6,400万円)を目指している。