生産者が梨栽培技術の先進地を視察

JAみなみ信州
先進的な技術を見学する参加者ら
先進的な技術を見学する参加者ら

JAみなみ信州梨部会みさと支部会員6人は15日、梨生産に関する先進的な研究が行われている埼玉県農業技術研究センター(埼玉県熊谷市)を視察した。今回は特に授粉樹の効率的な栽培方法が知りたいと支部員の強い希望で同センターを見学した。参加者は熱心に見学し動画におさめる人もいた。
この日は同センター果樹担当部の島田智人部長から同センターで行う試験内容の説明を受けた。人工授粉が必要な梨栽培では、授粉樹を別に植えて花粉を採取する。火傷病の影響で花粉の輸入が止まる中、生産者それぞれが効率よく採取する必要がある。多くの生産者は従来の丈の高い授粉樹を使っており、脚立からの転落事故も少なくない。同センターでは授粉樹にもジョイント栽培を導入し、低樹高化による安全性と作業効率の向上を試験している。また「V字ジョイント栽培」で体への負担を軽減できるジョイント位置や、従来の平棚を活用しながら4本仕立ての棚栽培でも主枝をジョイントし作業の直線化と効率化を図る試みも進めていることなどの説明があった。島田部長は「生産者の皆さんが安定して効率的に花粉を確保できるよう研究を進めている。今後は気候変動に対応した品種研究などに取り組みたい」と話した。
見学に参加した壬生雅穂さん(58)は「授粉樹の研究に早くから取り組んでいることに感銘を受けた。産地の高齢化に対応した技術や、平棚を活かしたジョイント栽培など、実用本位の研究を間近で見られて参考になった」と話した。

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