JA長野厚生連富士見高原病院が運営する伊那市美篶の老人保健施設「すずたけ」で10月6日、地元「みすずそばの会」のメンバーがそば打ちを披露した。そば打ち披露は、そばを味わって楽しんでもらいたいと20年以上続けている。コロナ禍だった4年間は休止していたが、3年前から徐々に活動を再開し、今年から本格的に再始動した。
「みすずそばの会」は、そば好きのメンバーが集まり地元産のそばを提供することで、地域の役に立ちたいと思い発足した。過去に「JAまつり」でそばを提供していた際に、施設関係者から声が掛かったことでそば打ち披露を始め、現在は同施設で年2回披露している。
この日は施設内の3会場で127人が見守る中、同会の桜井朋幸さんがそば打ちを実演した。上伊那産「信濃一号」のそば粉8割、つなぎ粉2割でそばを打ち、事前に準備した分と合わせて13キロを用意。通常のそばや、食べやすいように刻んだそばなど合計130人前が提供され、入所者らは地元の味を楽しんだ。
そば打ちを披露している間は、同会と入所者らでコミュニケーションをとり「のし棒でそばを伸ばしているが、なぜそばを打つというのか」という入所者からの質問に、同会の矢島清会長は「昔は粉が荒くそばが伸びにくかったため、のし棒を使って打ちながら伸ばしていた」と説明し、入所者らは興味津々にそば打ちを見守った。
同会の矢島会長は「毎年、入所者の方たちが楽しみに待ってくれているため活動のやりがいにつながっている。今後も地元のそばを広げるためにも活動を継続していきたい」と笑顔を見せた。