宮田村で栽培したヤマブドウ「ヤマソービニオン」を使った2025年産の信州みやだワイン「紫輝」の仕込みが始まった。10月7日には、同村の本坊酒造株式会社マルス駒ケ岳蒸留所で仕込み式が開かれ、おいしいワインの完成を願って、生産者が持ち込んだブドウを破砕機に投入した。
「紫輝」は、同村や生産者などでつくる「中央アルプス山ぶどうの里推進会議」が6次産業化の特産を作ろうと1998年に製造を始めた。原料のヤマブドウ「ヤマソービニオン」は村内の生産者6戸からなる「宮田山ぶどう栽培組合」が約1.3ヘクタールで栽培。今年は、4月の遅霜や夏場の猛暑の影響を受けたものの順調な生育となった。平年よりも1週間ほど早く収穫期を迎え、収穫量は昨年よりも多い17トンを見込む。
このうち、ワイン用には約9.5トンを使用し、来年5月販売予定の「紫輝」を7000本(720ミリリットル)、同12月の「紫輝 樽熟成」2300本(同)を醸造する予定だ。
仕込み式には、村長で同推進会議の天野早人会長や、JA上伊那宮田支所の伊澤国晃支所長ら関係者約20人が出席。各組織の代表者は破砕機にブドウを投入し、今年の収穫を祝い、上質なワインの仕上がりを期待した。
同栽培組合の小林研二組合長は「霜の影響が心配されたが、例年にないほど品質の良いブドウに仕上がった。心を込めて育てたブドウからワインができるのは感無量だ。25年産のワインの仕上がりを楽しみにしている」と話した。
「ヤマソービニオン」は、他にも山ぶどうジュースや南信州地ビール「ヤマソーホップ」に使用される。