信州伊那栗収穫最盛期 艶のある「筑波」を出荷

JA上伊那
栗「筑波」を出荷する同法人の作業員
栗「筑波」を出荷する同法人の作業員

JA上伊那管内では、栗の晩生種「筑波」の収穫最盛期を迎えている。現在は飯島町を中心に、49戸が約21ヘクタールで早生品種「丹沢」と「筑波」を栽培し、約79トンの出荷を見込んでいる。
「信州伊那栗」は生産者やJAが協力して農地を守り、栗の産地化やブランド化を目指すため、遊休農地を整備して2008年から生産を開始。同町で和菓子を製造・販売する「株式会社信州里の菓工房」へほぼ全量を出荷しており、栗きんとんやモンブランなどの原料に使われている。
同町の一般社団法人「月誉平 栗の里」では、作業員約40人らが9月21日から「筑波」の収穫作業と出荷作業を行っている。約6ヘクタールで合計1800本ほどの「丹沢」と「筑波」を栽培する同法人の圃場は、酸性土壌で保水力があることから栗栽培に適しており、今年は合計16トンの出荷を目指す。
9月30日、作業員らは機械を使いながら栗を集め、熟して自然落下した栗を手作業で収穫。その後、栗の虫食いや実割れを目視で確認しながら選別し、サイズごとに出荷した。今年から、野菜などで使用される根菜洗浄機を改造した栗用洗浄機を導入したことで、実がしっかりと詰まった栗を選別しながら洗浄ができるようになり、作業負担軽減や作業効率向上につながっている。
同法人は、昨年に引き続き1日バイトアプリ「daywork(デイワーク)」を活用。栗の収穫は、木陰で作業ができることや単純作業が多いため、県内外から人気を集めている。
同法人の城田多加雄代表理事会長は「北信には小布施町、南信には飯島町に美味しい栗がある。産地拡大するために、栽培管理を徹底して色や艶のある美味しい栗を育て、同社のこだわりのお菓子にふさわしい栗を出荷したい」と意気込んだ。

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