歯科大学生が地域歯科の現状を学ぶ

JAみなみ信州
介護施設での指導を見学する学生
介護施設での指導を見学する学生

「食」を守る事業のひとつとして「いつまでもおいしく食べる」をスローガンに地域歯科医療の提供をしているJAみなみ信州歯科診療所は17日、大阪大学歯学部の学生3人の見学を受け入れた。阿南町の同JA阿南歯科診療所での外来診療と管内の特別養護老人ホームへの訪問診療の見学を行い、地域歯科診療の現状と同JAの歯科診療事業の取り組みを学んだ。未来を担う若い学生に地域歯科医療に興味を持ち理解を深めてほしいと見学を受け入れた。
今回は、同JA歯科医師の石田健医師が非常勤講師として同大学で行う講義を聞き興味を持った学生が見学を希望した。これまでも研修医等の受け入れは行ってきたが、学生の見学は今回が初めて。この日学生は同JA歯科診療所院長の石田健医師に同行し阿南歯科診療所で外来診療を見学したあと、管内の特別養護老人ホームを訪問。利用者の歯科健診のほか食事の観察と指導を行うなど、治療だけではなく口腔ケアまで多岐にわたる取り組みを見学した。
参加した学生は「講義で学んだことを体験を通して理解を深めることができた。JAみなみ信州の歯科医療が多種多様に及ぶことがわかり、今後の歯科医師としての選択肢が広がった」や、「介護士や医師と連携し指導や援助を行っており、地域の健康を幅広く支えていることがわかった」と感想を話した。
石田医師は「歯科医師の偏在が問題となりつつある現在、これからの歯科医療を担う若者が地域歯科医療に興味を持つことは、全国的にも高齢化率の高い地域にとっても価値のあること」と話した。
同JAの歯科診療事業は2001年に外来・訪問診療ができる歯科診療所を飯田市鼎に、続いて14年に阿南町に阿南歯科診療所を開設。22年、高森町に訪問診療専門の在宅歯科クリニックを開設したことで3施設あわせた訪問可能範囲はほぼ飯田下伊那全域となった。医療・介護施設と連携し地域の口腔健康の維持管理に取り組んでおり、管内の在宅患者の自宅や、療養中の施設や病院等への訪問診療を行っている。

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