箕輪町にあるJA上伊那果実選果場では、9月19日から梨「南水」の選果作業がスタートした。すっきりとした甘みで果汁の多さが特徴の「南水」は、上伊那産の梨の中で栽培面積が最も大きく、貯蔵性にも優れていることから多くの消費者の人気を集めている。管内では他にも「幸水」や「豊水」、「二十世紀」などの約8品種を栽培。同JAでは今年度、合計で出荷数量700トン、販売金額3.2億円を目指している。
同JAでは、全国的な梨生産者や栽培面積減少に伴い、果樹部会梨専門部が掲げる振興計画や販売目標を達成するため、同専門部内にプロジェクトチーム「上伊那ナシ産地再構築プロジェクト」を設置。上伊那地域を梨産地として存続させるために試験栽培に取り組むほか、梨の団地化を目指して栽培面積の維持拡大に力を入れている。
今年は、夏場の高温の影響で果実の日焼けや褐変が見られるものの、管内では昼夜の寒暖差や日照時間が豊富なことから、糖度が高い仕上がりとなっている。また、販売面では高温少雨の影響で小玉が多く、全国的な数量減少から高単価で推移している。
24日には、同選果場の作業員40人が梨を傷つけないように、丁寧に選別作業や箱詰め作業を行った。同選果場の兼子敦場長は、「今年の梨は、小玉傾向にあるが食味は良好。生産者が丹精込めて栽培した梨を丁寧に扱い、上伊那の自慢の梨をしっかりと出荷していきたい」と意気込んだ。