天空のしずく現地検討会 本格出荷に向け収穫時期を検討

JA上伊那
熟度の異なる天空のしずくを食べ比べる参加者
熟度の異なる天空のしずくを食べ比べる参加者

JA上伊那果樹部会梨専門部は9月9日、新品種「天空のしずく」の現地検討会を宮田村の園地で開いた。本格的な出荷に向けた収穫時期の検討が目的。生育状況などを共有し、熟度の異なる果実を試食して食味を確かめた。
天空のしずくは長野県オリジナル品種で、しゃきしゃきとした食感と果汁の多さが特徴。すっきりとした甘みがあり、同時期の品種の中でも食味は良好だ。花芽が多く結実率が高いことや、病害の耐性があることで無袋栽培・防除回数の削減、収穫期にばらつきがなく一挙収穫が可能なため、栽培管理の省力化が見込める。収穫時期は9月上・中旬で、「豊水」と「南水」の間に収穫できるため、リレー出荷に期待が高まる。
検討会は、収穫が始まった昨年に引き続き2回目。昨年の試食検討で寄せられた声を参考に1週間ほど早い開催とした。
この日は、生産者や市場担当者、JA全農長野、JA上伊那の職員ら35人が参加した。同園の収穫までの調査結果を共有し、色指数や熟度から見た収穫適期を確認。その後、実際に熟度の異なる果実を試食し、食味や食感を確かめながら、収穫適期について意見を交わした。
JA営農経済部園芸課の清水里枝子果実係長は「熟度によって食味の特徴は異なるものの、食味の良い熟期が幅広いため収穫時期の検討は重要。市場担当者などの意見も取り入れながら、食味の良さを活かした有利販売ができるよう慎重に検討していく」と話した。
同JAでは、省力化が見込めるジョイント栽培の推進や、新規生産者が参入しやすいよう団地化を進めるなど、全国的に栽培面積が減る中でも需要が高まる梨の生産拡大に取り組んでいる。

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