飯島町の圃場で8月28日、JA上伊那管内で初となる水稲「再生二期作試験」の1作目の収穫作業が行われた。黄金色に色付いた稲を、通常のコンバインを使用して草丈を長く残す「高刈り」で刈り取った。
再生二期作は、懸念されている地球温暖化を栽培に活かし、水稲を刈り取った後の切株から新たに芽吹く「ひこばえ」を再び育てることで、1回の田植えで2回収穫ができる利点がある。また、植え直しが不要で労力やコスト削減にもつながるため、政府や生産者からの期待が高まっている。
飯島町の有限会社水緑里七久保は同日、13アールの圃場で1作目「コシヒカリ」の収穫作業を行った。同社独自の取り組みで、今年が初めての試みだ。全国の事例では、再生二期作用品種「にじのきらめき」を用いることが多いが、同社は上伊那の農業振興につなげようと、一般的なコシヒカリで試験栽培を行っている。
5月4日に田植えを行った苗は病害虫などの被害は少なく、1作目の収穫までの生育は順調。草丈が約80センチまで伸びた稲を、ひこばえを成長させるために25センチほど残して刈り取った後、2作目の収穫に向けて土壌の栄養が不足しないように肥料を散布して再び稲を育てる準備を行った。
同社の竹澤秀幸社長は「飯島町の温暖な地域を利用した取り組みで、少量でも収穫量が増えてくれたら嬉しい」と、今後の収穫に期待した。2作目の収穫は10月下旬頃に行う予定だ。