JA上伊那米穀部会酒米専門部と長野県酒造組合伊那支部、JA上伊那は8月21日、JA管内3カ所の圃場巡回を行った。同専門部や同支部の役員、JA担当職員ら29人が参加し、2025年産水稲作柄概況や生育状況について確認した。
JA管内は県内有数の米どころであり、昼夜の寒暖差が大きいため病害虫の発生が少なく低農薬で、粒張りの良い米が特徴だ。25年産酒米は昨年に引き続き順調な生育で、収量は456トンを見込んでいる。
巡回前には、JA担当職員が酒米の情勢や生育状況について説明した。日本酒の国内出荷数量は他のアルコール飲料と競合し、晩酌文化の変動やコロナ禍の影響などで減少傾向にあるが、25年度の輸出数量は1月から5月までの累計で約13トン(前年対比110.2%)と、前年を上回る状況となっている。
また、近年の高温の影響で出穂期や成熟期は前年と比較して早まり、出穂後の気温が平均30度以上で日照時間が多い場合には、玄米の胴割れが発生しやすい。管内の水田地帯でも日最高気温が平均30度を超えていることから、JA担当職員は「適正な水管理と適期収穫で胴割粒の発生防止対策を行ってほしい」と呼びかけた。
説明後は、伊那市内の圃場を巡回し生育状況を確認した。管内では9月3日から25年産酒米の収穫が始まり、品質に期待が高まっている。