JA上伊那管内で8月9日、最初の稲刈り作業が始まった。2025年度は生産量14,400トンを目標に、安全安心、高品質、良食味の「かみいな米」の生産に取り組んでいる。管内の稲刈り最盛期は9月上旬頃を見込む。
上伊那産の米は、環境に優しい苗作りとして温湯消毒を取り入れるなど、低農薬で粘りが強い米が特徴だ。今年度は田植え後の高温で活着は良く、生育は平年に比べて3日ほど進んでいる。出穂後に気温が上昇したため、昨年度多発したカメムシなどの害虫被害や高温障害が懸念されるが、現在は順調な生育となっている。
同日、伊那市の株式会社中坪ノーサンがJA管内で最初の稲刈り作業を行った。同社の登内美穂社長と品質管理担当の登内耕治さん(56)が市内にある15アールの圃場で、早生品種「五百川」を生もみで約2.7トン刈り取った。今年度は水管理を徹底したことで順調な生育につながっている。
同社は、高齢化などを理由に作付けができなくなった農地の受託を行い、「コシヒカリ」「五百川」「スーパームーン」「こがねもち」の4品種を生産している。また、コシヒカリでは減農薬栽培に取り組み、安全安心な米作りにも力を入れている。
同社の登内社長は「突然大雨が降ると水路の管理などが大変だが、安全作業で生産量を確保していきたい。近年、高温が大きく影響しているため、気候に合わせた新品種などにも期待したい」と話した。
同社の稲刈作業は10月中旬頃まで続く見込みだ。