諏訪市の平林拓真さん(30)は2025年度、地域住民が野菜作りを体験できる「JA農園」を利用し、農作物の栽培・管理方法を学んでいる。料理人として働いており、さまざまな品目の収穫までの過程を知って仕事に生かしたいとの思いがきっかけ。7月下旬現在、夏野菜の収穫が進んでおり、日々畑に足を運び、初めての農作業に汗を流している。
平林さんは同市出身で、富士見町の「カゴメ野菜ファーム株式会社」レストラン部門で働いている。「自分が料理している農作物がどのように栽培されるかを知って仕事に生かしたい」「地域農業を知ることで自分にできることを考えたい」という思いがあり、行政担当者に農作業体験の相談をしたところ「JA農園」を紹介された。
「JA農園」では5月初旬から、JA営農部生産資材課の五味正宏課長代理のアドバイスのもと0.7アールの区画にレタスやブロッコリー、セルリー、キャベツ、トマト、ナス、カボチャ、豆類などを栽培している。
社内研修で、八ヶ岳周辺の興味のある分野について発表する機会があることから7月15日、茅野市のJA仲町会館を訪れ、営農部の職員に、諏訪地域の農業の歴史や今後の展望、鳥獣害対策などをインタビュー。聞き取った内容や、自身のJA農園での体験をパワーポイントでまとめて発表した。内容に興味を持ってくれた社員と、より深く知識を共有できたという。
7月29日は、トマトの収穫やトウモロコシの病害虫対策を行った。「品質の良いトウモロコシをつくるには、植える間隔を考え、肥料・かん水や病害虫対策を行うなど多くの作業があることを知り、勉強になっている」と話す。また、秋野菜の植え付けに向けて、土を耕して施肥を行った。
「JA農園は事前に土づくりをしてもらってあるためおいしい野菜が収穫でき、栽培する喜びもより深まっている。契約終了の11月末までたくさん野菜を育て、今後の仕事に生かしたい」と意気込みを語った。