盆提灯に見立てる「ほおずき」出荷開始

JAみなみ信州
ほおずきの荷造り作業をする林さん
ほおずきの荷造り作業をする林さん

JAみなみ信州では27日からほおずきの出荷が始まった。30日までをピークに8月6日頃まで短期集中の出荷を行う。林賢志さん(57・飯田市伊豆木)のお宅では賢志さんと両親の3人で収穫したほおずきの荷造り作業を行った。細かなゴミなどをコンプレッサーで除去し枝部分の葉を取り除き、枝の長さを規格に揃え箱詰めしていく手間のかかる作業だ。林さんは「今年は全体に色が付き、葉もしっかりとしていて良い仕上がり。ほおずきで季節を感じて楽しんでもらいたい」と話した。林さんのお宅では今年例年並みの約3,000本の出荷を予定している。
同JAのほおずきは実が大きいものでも直径6cmほどと他産地と比べ小ぶりでかわいらしく人気がある。中京圏、関西圏を中心に盆提灯に見立てて飾る風習があるため、盆の飾り花として需要が高い。
同JA営農部によると、今年は4月の冷涼な気候により一部園地で収量減が見込まれるものの、生産者の努力により着色は良好で草丈も十分確保でき高品質なほおずきが出荷されている。今年度の出荷数量は枝付きが約40,000本(前年比93%)、実が約6万個(前年比約60%)を見込み、中京方面の市場へ出荷する。
営農部農産課の大槻久担当は「造花も増える中ではあるが、生花を求める声も多く需要がしっかりとある。生産者のみなさんは暑い中、良いものをつくろうと努力してくれています。色鮮やかなほおずきで盆を迎えてもらえるよう、しっかりと出荷していきます」と話した。
同JA管内では現在およそ33戸の生産者が栽培を行っているが、生産者の高齢化などによる生産量の減少が課題。その一方で市場からは品質・生産量ともに安定した産地として期待が高く、同JAでは新規栽培者向けの講習会を開催するなど作付面積の維持拡大に取り組んでいる。

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