ジュース用トマト栽培講習会 試験栽培の経過を共有

JA上伊那
試験栽培圃場の説明をするメーカー担当者
試験栽培圃場の説明をするメーカー担当者

JA上伊那野菜部会は6月24日、管内4会場でジュース用トマト栽培講習会を開いた。JA担当職員らが生育状況や収穫までの栽培の注意点を説明。今年から管内で始めた試験栽培の経過を、実際に圃場を見ながら共有した。
ジュース用トマトは、JAが栽培を推進している品目の一つ。契約栽培で全量を出荷している。単価が決まっている加工野菜の中でも安定した収益が期待でき、コンテナ出荷のため選別作業が不要で省力化につながるなどの利点がある。
今年は28戸が約4.7ヘクタールで栽培する。生育は定植時の適度な降雨などにより順調。害虫調査圃場では昨年よりも害虫の発生が多い傾向にあるため、早めの防除を呼びかけている。
この日、伊那市の圃場で開かれた講習会には生産者ら35人が出席。風通しを良くすることや、薬剤散布の効果を高めるために枝分け作業が重要になると説明し、収穫までの管理方法を確認した。
昨年は夏場の高温によって日焼け果が多発。対策として今年から、畝間のマルチの代わりに緑肥用ムギを使用する栽培方法や、暑さに強い品種の試験栽培をしている。緑肥用ムギを使用することで地温の上昇を抑える効果が期待され、さらにマルチの購入・廃棄にかかる経費を削減できる。また、トマトの収穫後は土に漉き込むことで肥料としての効果も見込める。
全農長野の担当者は「もともと冷涼なこの地域にとって、近年の高温は影響が大きい。経費削減や栽培管理方法の試験に取り組み、一緒になって生産していきたい」と話した。

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