JAが東京農業大学生の現地研修受け入れに協力 地域農業の未来を考える

JA信州諏訪
大学生を前に諏訪地域の農業について説明する有賀課長代理(左)
大学生を前に諏訪地域の農業について説明する有賀課長代理(左)

JA信州諏訪は6月21日、新規就農の実践と課題について学ぶ東京農業大学生の現地研修受け入れに協力した。学生は同日と翌22日に茅野市に滞在し、JAや同市役所農林課の担当者から農業概況・新規就農の促進に向けた取組みを学習。同市でパセリ農家を営む古川竜生さん(29)ら地元農家のほ場を訪問し、地域農業の未来を考えた。
古川さんが同大学の卒業生であることから交流が続いており、今回の現地研修も実現した。
21日は、茅野市役所に同大学国際食料情報学部アグリビジネス学科の内山智裕教授と3・4年生13人、古川さん、JA営農部営農企画課の有賀治彦課長代理、同市役所農林課の担当者2人が集まった。
有賀課長代理は、JA管内は、冷涼な気候を生かしてセルリーやパセリ、ブロッコリーなど野菜約30品目、1日の気温差・晴天率の高さによる日射量の多さを生かしてキクやカーネーション、トルコギキョウなど花き約50品目が栽培されていることを紹介。また農産物の鮮度・品質保持のため、生産者は早朝の気温の低い時間帯に収穫を行ってJA集荷所に搬入。野菜は真空予冷装置で冷やして、保冷庫に保管。花きは全箱開封検査し等級格付けが行われた後、保冷庫に保管。その後、各市場に冷凍車により輸送し、収穫から市場への搬入までコールドチェーンを実現していることなどを説明した。
古川さんは自身が所属する若手生産者有志グループ「信州ちの就農LABO」について紹介。これまで新規就農者獲得に向けた事業は主に行政やJAが担ってきたが、「一人でも多く茅野市の農家になってほしい」という思いで同グループも参画し、農家の暮らしぶりや楽しさ、生きがいを伝えているとした。
古川さんは「これからさらに活動を増やして新規就農者獲得の実績をつくっていくのが目標。経営安定に向け課題を共有し、ともに成長し合える仲間を増やしたい。就農を考えている人はぜひ茅野市を検討してほしい」と話した。
同市役所農林課からは、高齢化や後継者不足など同市農業の現状と課題、今後の農業振興に向けた取組みなどの説明があった。
22日は地元農家のほ場見学や農作業体験などを行った。
同大学3年生の佐治恵杏利さん(20)は「温暖化による病害発生や資材価格高騰など農業の課題を改めて認識できた。地元でも『信州ちの就農LABO』のように新規就農者獲得に向けて生産者が活動しているグループがあるか調べてみたい」と話した。

MENU