JAみなみ信州は29日から早生桃「日川白鳳」「赤宝」の出荷を始め、今シーズンの桃がスタートした。30日は松川町の同JA松川インター選果場で飯田市と喬木村の生産者6軒から集まった675kgの桃を選果し県内、関西方面市場、同JA直売所へ出荷した。平均糖度12.7度と早生桃では高い糖度に仕上がっている。
同JA営農部によると昨年に比べて2~4日ほど遅い満開期を迎え、4月以降定期的な降雨があったものの比較的安定した気候で経過した。病害虫の発生も少なく、中生種に迫る高糖度で、肥大・色づきとも順調で良い仕上がり。昨年より4日遅い29日が初選果となった。今年度桃全体で約758トン(前年対比98.5%)を見込み、関東、中京、関西、九州、県内と全国へ出荷していく。
同JA営農部果実柿課桃チーフの片桐将史技術員は「生産者は春先から収穫直前までより良い桃を出荷しようと努力してくれている。早生桃はさっぱりとした味わいでこの時期にぴったり。今年は特に甘い桃に仕上がっている。晩生種までしっかりとリレーをつなぎ南信州のおしい桃をより多くの方に食べてもらいたい」と話した。
同JA営農部販売課の松重恵佑主任は「南信州は県内で一番早く桃の出荷が始まり市場や売り場からの注目も高い。生産者の手取りが1円でも高くなるようしっかりと販売しぶどう、梨、りんごと産地の売り場をつないでいく」と話した。
中生種でメイン品種の「あかつき」「白鳳」は7月18日頃、晩生種の「川中島白桃」8月5日頃からと、桃の出荷リレーを行っていく。
同JAの桃は園地の老木化や生産者の減少による生産量減少に対しふるさと納税返礼品などで人気が高まっていることから、同JA桃部会では新規栽培者向けの研修会を行うなど生産量維持へ取り組んでいる。