アスパラガス新規生産者現地講習会 病害を受けない圃場づくりを

JA上伊那
アスパラガスの立茎を確認する生産者ら
アスパラガスの立茎を確認する生産者ら

JA上伊那野菜部会は5月29日、今年度1回目のアスパラガス新規生産者現地講習会を宮田村で開いた。講習会はアスパラガスの定植1年目から2年目の生産者や、来年度以降に新規栽培を開始する生産者が対象。生産者22人が出席し、3月下旬から始まった春芽の出荷状況や、夏芽の収量を確保するための立茎管理方法について確認した。
アスパラガスは同JAの主力品目の一つで県内一の生産量を誇る。今年度4月には共選施設を本格稼働。作業効率向上や栽培面積の拡大を図り、2033年度までに販売高10億円を目指している。
当日、宮田村の森田一雄さん(60)の圃場で開かれた講習会では、JA担当職員や上伊那農業農村支援センター、長野県野菜花き試験場の職員らが立茎の管理方法や病害虫防除について説明した。
今年度の春芽は、5月中旬時点で前年実績の約8割の出荷となっている。同JAの小出順誠係長は「アスパラガス栽培は長期的な作型で、夏芽をどれだけ収穫できるかが重要。定期的に講習会を開いているため、多くの生産者に出席していただき、定植初期の管理をしっかりと行ってほしい」とあいさつした。
アスパラガス栽培はかん水作業が重要だが、過湿条件では湿害が生じやすい。同試験場担当技師は「茎枯病や斑点病が発生すると生育、収量に大きな影響が出るため特に注意するように。適度な光を当て通気性をよくすることで病害が生じにくくなるため、地下水位が高く排水性が悪い圃場は高畝栽培にするなど、排水対策を必ず実施してほしい」と呼びかけた。7月から8月頃にかけて害虫被害も多いことから、予防防除を含めた総合防除を徹底するよう説明した。
同JA担当職員は「定植1年目は収穫せず、細い株を間引いて質の良い株づくりを優先してほしい。今年度は水管理や薬剤防除を徹底して反収を向上させていきたい」と意気込んだ。

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