アスパラガス視察研修会 半促成長期どり栽培の面積拡大へ、生産者所得向上を目指す

JAあづみ
アスパラガスのハウスを見学する参加者ら
アスパラガスのハウスを見学する参加者ら

JAあづみでアスパラガスを生産している農家やJA職員、全農長野ら14人は4月15日、JA上伊那アスパラガス農場視察研修会を行った。アスパラガスは、市場からの要望が強い品目であり、同JAは産地再生を目指している。
JA上伊那は、アスパラガスの先進地であり、生産者180人、面積28ヘクタールで栽培している。2024年産は、277万束(100グラム束)4億2310万円の実績を誇る。JA上伊那管内の98%が半促成長期作型(雨よけハウス)であり、圃場は水田からの転作圃場が7割を占めている。新規栽培者確保のため、苗からではなく1年株を生産者へ販売することで、初年度から収益が出る栽培体系のほか、月に1回の講習会を通してサポートを行っている。
視察研修では、JA上伊那 管内の栽培状況や優良生産者の事例等を学び、意見交換や圃場見学をした。省力化につながる機械や、灌水システムの設置方法、貯水方法、収穫ばさみなどを実際に見て学んだ。
ハウス半促成長期どり栽培の利点として、露地栽培は、反収800キロに対し、ハウス栽培では約3トンの収穫が可能になり、数年で元をとることが可能だ。品質においても、色と皮の質が違い、ハウス作のほうがフレッシュで柔らかいという。ハウスのため、風害などの被害も少ない。
同JAは、雨よけハウスを利用した半促成長期どり栽培の面積拡大を図り、生産者の所得向上や収量の増大を進めていく。25年度は、新規栽培講習会を5カ所、立茎講習会を2カ所、越冬講習会を2カ所で開催し、28年には面積4.7ヘクタールの拡大を目指す。
JAあづみ営農指導員の土屋光毅さんは「視察研修を通して、半促成長期どり栽培について生産者の理解を得ることができ、推進の後押しになった。今後も生産者の所得向上を図っていきたい」と述べた。今後は、夏秋採りに合わせて研修を計画していく。

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