JA信州諏訪農機センターは5月12日、茅野市で紙マルチ田植機実演会を開いた。JA職員とメーカー担当者計12人が出席。同センター職員によると「諏訪地域で紙マルチ田植機が稼働するのは初めて」とのこと。隣接する通常の田植え区との作業効率の違いや収量などを比較し、今後、水稲生産者に向けた提案に役立てたい考えだ。
今回は、同センターの清水浩明基幹農業機械センター長が「水田管理の軽減に向けた組合員への情報発信の一つとしたい」との思いで企画。島根県の三菱マヒンドラ農機株式会社の担当者が紙マルチ田植機「LKE60AD」(6条植え)を用意した。
紙マルチ田植機は、植え付け部直前から紙ロール(再生紙)を敷設し、紙を突き破りながら田植えを行う。敷設された紙が田面への日光の通過を遮断し、田植え後約1カ月の間、雑草の伸長・繁茂を抑えられる。通常の有機栽培に比べてほとんど除草作業が必要なく、省力化が期待でき、「環境保全型農業」の実現につながる。紙は敷設後、約40~50日で溶解される。
この日は、広さ12アールの田んぼに、紙マルチ田植機で「つきあかり」の田植えを行った。同社の担当者が、マルチ効果による除草の省力化などの導入メリット、田植機の装備や操作方法を説明した。参加者は、紙が敷かれ、苗が植わっていくようすを確認。通常の田植機との操作の違いや、紙ロールの補充方法などを教わっていた。
職員からは「植え付けがきれい」「雑草が十分に抑制されることに期待したい」などの声があった。
清水センター長は「営農部営農企画課と協力し、生育状況や雑草発生状況の経過観察をしっかり行っていきたい」と話している。