JA大北は5月27日、第60回通常総代会を大町市のJA本所会館で開いた。書面議決を含め439人の総代が出席し、2024年度事業報告と25年度事業計画など全6議案を可決した。
武井宏文組合長は「組合員と地域のためにJAとしての役割を果たし、持続可能な経営基盤の強化に努める」と述べた。また、財務の健全化と安定した経営の確立を目指し、環境に配慮した農業への取り組みに注力する方針を示した。さらに、農業資材の高騰や国際情勢の変化が農業経営に影響を及ぼしていることに触れ、JAグループとして支援策を要請しながら、地域農業の発展に向けた取り組みを進めていくとした。
24年度は、地域農業の持続可能性を高めるための施策を展開。水稲の安定した生育や高品質な米の生産を継続するとともに、果樹類の生産者育成を目的とした学習会を開催し、高収益作物の産地化を推進。また、バイオ炭生産プラントの本格稼働により、温室効果ガス削減と環境に配慮した農業基盤の整備を進めてきた。
25年度は、中期3カ年計画(25~27年度)の初年度として、持続可能な農業の推進と地域農業の収益向上に向けた取り組みを本格化させる。「魅力ある農業経営と活気ある産地づくり」、「『食』と『農』を基軸としたJA仲間づくり」、「事業戦略を支える経営原動力の進化」の三つの基本方針を掲げ、これらを軸に事業を展開する。
具体的には、「大北地区水田農業パワーアッププロジェクト」との連携を強化し、米政策改革の定着を図るとともに、水田の有効活用を進め、多様な作物の生産を促進する。さらに、高収益作物の生産拡大を支援し、生産者の経営安定につなげることで、地域農業の持続的な発展を目指す。また、スマート農業の導入を積極的に進め、環境に配慮した栽培技術の活用を強化し、持続可能な農業の実現に向けた基盤を整える。
このほか、総代会の席上では、優良組合員功労者表彰と定年退職職員への感謝状の贈呈式が執り行われ、長年にわたり地域農業の発展に尽力してきた方々の功績が認められた。優良組合員功労者表彰では、松川村の馬場幸生さんが受賞。生産力向上への取り組みと地域貢献の実績が高く評価された。受賞者代表として「これまで多くの人に支えていただいたことに感謝し、大北地域の農業発展のために今後も努めていきたい」と感謝の意を述べた。また、定年退職職員への感謝状贈呈も行われ、長きにわたりJA事業を支えてきた功績が称えられた。