JA信州諏訪は2025年度、諏訪郡内の中学校軟式野球の地域クラブ「明峰クラブ」の活動を初めて支援する。選手や監督・コーチは、JAを含む地元企業12社のロゴや企業名を入れたユニフォームを着用し、練習に励む。茅野市の永明中学校3年生の柿澤天斗主将(15)は「かっこいいユニフォームができてうれしい。練習のモチベーションもあがる。県大会に出場できるよう皆で頑張っていく」と士気を高めている。
少子化の影響で、中学軟式野球チーム数が半減している。同クラブは、未来ある選手が野球を諦めることがないよう、茅野市の永明中学校・長峰中学校の野球クラブが母体となって2021年に設立。「八ヶ岳山麓で明るく野球に取組むチーム」という意味で、「明峰」と名付けられた。諏訪郡内在住の中学生が入部でき、現在は両校と原村の原中学校の生徒が在籍している。監督・コーチはボランティアが担っており、全国的に広がる「部活動の地域展開」体制で運営している。
今回は、将来にわたり持続可能なクラブにしていくため、地元企業に協力を募った。ユニフォームは、各企業のロゴや企業名を胸部、背中上部、袖部、背中下部に入れて製作。3月30日に完成した。4月1日から2026年3月31日までの1年間、練習や練習試合で着用する。協賛金は、施設使用料やチーム道具、クラブの運営費に活用するという。
JAは、「地元企業の一つとして、生徒が部活動を通じて健全な心身の育成が図れるように」という思いから、協力を申し出た。
同クラブの渡辺雄一監督(55)は「県内の中学校軟式野球では珍しい取組みで、他チームからも大変評判。今後このような動きが活発化してくるのではないか」とのこと。
5月3日は、茅野市の長峰中学校の校庭で練習を行い、部員32人と監督・コーチ6人が参加。守備力・打撃力の向上を目指し、汗を流した。
渡辺監督は「想像以上に、多くの地元企業に協力いただきありがたい。これからは活動で恩返しをしていきたい。子どもたちをしっかりと成長させ、地域に信頼されるクラブにしていく」と感謝を伝えた。
地元のJA茅野中央支所の野明光幸地区統括所長は「地域に根差したJAとして、子どもたちの活動を応援したいという思い。素敵に仕上がったユニフォームを着て、練習を頑張ってほしい」と願った。