JA上伊那管内では4月下旬、アスパラガスが出荷の最盛期を迎えた。アスパラガスは同JAの主力品目の一つ。2025年度から共選施設を本格的に稼働させ、作業効率の向上と作付面積の拡大を図り、販売高10億円をめざして取り組んでいる。
JA野菜部会アスパラガス専門部の野澤典生専門部長の圃場(辰野町)では連日、収穫作業が行われ、最盛期には1日20キロほどを出荷している。アスパラガスには春芽と夏芽があり、夏芽も含め9月ころまで出荷を行う予定。今年は昨年よりも潅水量を増やし、1週間に2回の潅水作業を3回以上へ変更したことで、みずみずしさが増し空洞果が少なく品質も向上している。潅水のやり過ぎは根腐れの原因につながるため、水たまりができない程度に注意しながら潅水作業を行う。
JAでは共選施設を稼動させたことで共同選荷が可能になった。人工知能(AI)を活用してこれまで生産者が個別に行っていた選荷や選別の作業負担を軽減し、選別の個別差をなくすことで品質の安定を目指す。同JAが推奨している栽培管理システムと連動させることで、出荷結果も素早く確認することができ、生産作業効率の向上にもつながっている。
野澤専門部長は「この時期のアスパラガスは、冬場に蓄えた栄養が甘みを強くし、春芽ならではの甘みがある。また、消毒をしていないため安心して食べてもらえる。今後も消費者の目線から、どのようなアスパラガスが売れるのかを考えながら、品質の良いアスパラガスを生産したい」と話した。