JAみなみ信州管内は梨の授粉作業が最盛期を迎えている。授粉作業は結実を左右する重要な作業で、開花と同時に短期集中の作業が一斉に行われる。21日、「幸水」の授粉作業をした高森町の本島洋二さん(63)は「今年も良い梨ができるようにと張り切って作業している。今シーズンの豊作を願ってひとつひとつ丁寧に頑張りたい」と話した。
梨栽培では授粉樹から採取した花から取り出した花粉を授粉の道具「梵天(ぼんてん)」を使って手作業で花粉をつけていく。同JA営農部によると4月上旬の気温が上がらず生育は若干停滞傾向だったが、先週からの高温で一気に開花が進み、平年より2日ほど遅い16日頃から授粉作業が始まった。開花期の天候は良好で標高・品種により26日頃まで作業が行われる。
同JA営農部果実柿課の牧野友宏技術員は「今年の生産量を確保するための重要な作業。確実な授粉作業はもちろん、その後の管理についても丁寧に指導していく」と話した。
同JAでも若い世代の生産者が増える中、南信州地域の梨栽培を振興させようと生産者・行政・農業団体等は「南信州日本なし産地再生プロジェクト」により梨の生産振興に力を入れている。3年目となる今年度は技術指導や品種検討、モデル園での栽培試験などに取り組み関係者一丸となって産地振興に取り組んでいく。