諏訪市のJA信州諏訪すわこ営農センターでは4月8日から19日まで、同センター敷地内にある「水稲播種出芽装置」で水稲種子を出芽させ、注文した組合員に受け渡した。職員が3日間、装置を設置した倉庫内で育苗箱を管理する。組合員は、育苗箱を持ち帰って各々伏せこみ作業を行い、5月中旬からの田植えに向け準備を進める。
同装置は、簡易貫流蒸気ボイラーを使って、倉庫全体に水蒸気を充満させ、出芽を促す仕組み。均一に出芽させることができ、育苗管理期間は7日ほど短縮できる。同センター職員が、1日3回ほど倉庫を確認し、出芽の状態を観察。室温が32度に保たれるよう管理する。JA信州諏訪で導入しているのは、同センターのみ。組合員の労力軽減を目的に、2021年から実用化している。
2025年度は、諏訪市内の組合員9戸から、うるち米・もち米6品種の育苗箱計9639枚の注文を受けた。4月中に、同センターの播種センターで育苗箱に播種。同装置を8日に試験稼働後、12・16日に本稼働する。
15日は、職員3人が作業。倉庫のシャッターを開け、密閉しているビニールを巻き上げた。その後、フォークリフト2台で、12日に搬入した「つきあかり」「あきたこまち」「コシヒカリ」の育苗箱3294枚を運び出し、組合員に受け渡した。
同センターの紺谷柊馬営農指導員は「作業は順調に進んでいる。しっかり温度管理をして、均一に芽が出た育苗箱を組合員の皆様にお届けしたい」と話した。