JA上伊那営農経済部は4月7日と11日の2日間、管内2つの園地でブルーベリー接ぎ木講習会を開いた。優良系統品種へ更新することで、上伊那全体の品質や収量を安定させるのが目的。講習会は、低温の影響を受けにくく、芽が動き出すこの時期に毎年開く。JA担当職員が生育状況や作業の注意点を説明し、実際に接ぎ木作業を実演した。
JAでは、早生品種「デューク」を優良系統品種として、更新を進めている。管内の生産者が増えはじめた20年ほど前は、早生から晩生まで多品種を生産していたが、優良系統品種への更新を進めることで品質の安定を目指す。「デューク」は果実が固めで大玉のため市場からの人気が高い。また、早生品種のため販売単価が安定しやすいといった利点がある。管内では6月中旬ごろから出荷が始まり、7月に最盛期を迎える。
今年の生育状況は、温暖傾向だった昨年よりも7日遅いものの、平年並み。凍霜害の影響もなく順調だ。
7日、箕輪町で開いた講習会には生産者15人が参加した。JA担当職員が手順や注意点を確認しながら実演。台木と穂木の接着面に隙間ができないように注意することや、接ぎ木細胞分裂が盛んな形成層を合わせことで活着率が上がることを説明した。
JA担当指導員は「暖かくなってから接ぎ木を行うことで活着しやすくなる。優良系統品種を接ぎ木することで、品質向上や安定生産につなげていこう」と呼びかけた。