JAみなみ信州では春のアスパラガスの出荷が本格化している。スタートが早かった九州など競合産地の出荷が落ち着き全国的に高値基調の中、同JAでは市場からの要請の強まる4~5月の出荷量確保とシーズンを通じた安定供給に努める。
14日には管内全域から約1トンのアスパラガスが同JA総合集荷販売センターに集められ中京方面へ出荷した。生産者の松下忠良さん(83・泰阜村)のお宅では妻のみね子さん(81)と早朝から収穫作業を行い、この日初出荷を迎えた。松下さんは「太物がしっかりと収穫でき、今シーズンも良いスタートが切れた。少しでも長く出荷できるようにふたりで頑張りたい」と意気込んだ。
今年は冷温傾向で生育が数日程度遅れているものの、品質は例年並みの良い仕上がり。同JAでは本年度の販売金額を2億2,740万円(前年比87%)、出荷量を182トン(前年比105%)と見込み、主に中京方面の市場に向け出荷する。 同JAでは3月5日から今年度の出荷が始まり、ピークは4月下旬~5月上旬で、5月中下旬まで出荷が続く。6月下旬からは夏のアスパラガスの出荷が始まる。
同JA営農部農産課の伊藤昭成技術員は「難しい気候条件、生産コスト高騰の厳しい生産環境の中でも、生産者の皆さんは丁寧な管理でおいしいアスパラガス生産に日々汗を流している。旬の甘くやわらかなアスパラを1本でも多く食べてもらいたい」と話した。