JAみなみ信州柿部会と同JAは18日、飯田市の同JA本所で2024年度市田柿生産販売反省会を開いた。同部会、同JA、市場関係者、長野県農業農村支援センター、全農長野南信事業所ら約80人が参加した。気候変動の影響でこれまでにない厳しい生産・加工環境の中、生産者の高い技術と努力で高品質な市田柿が出来上がり、同JAと関係者が一丸となり集荷・販売に努め、販売金額は26億円を超えた。10年後には34億円産地を目指しさらなる産地振興を図ることを確認した。
同部会の松澤正芳部会長は「経験がないほど苦労した年となったが、皆さんのご協力でこれだけの実績が残せた。高品質な市田柿を生産し続けるために力を合わせて頑張りましょう」とあいさつした。
今年度は原料柿の極端な大玉傾向に加え病害虫の発生、加工時期には温湿度管理に大変苦慮し、品質低下やロスが発生した。随時指導会を行うなど対策を講じ高品質生産に努めた。乾燥の遅れにより出荷が遅れ年内出荷比率は過去最低の53.8%となったものの、早めの販売対策を実施しシーズンを通して高単価で売り場を維持することができた。春節需要に向けた出荷を中心に、台湾など11ヵ国へ100トンを超える市田柿を輸出。今後は欧州への輸出拡大を模索する。今年度出荷数量1,070トン(前年比96.6%)、販売実績はおよそ26億1,418万円(前年比98.6%)となった。
市場からは「計画的な出荷で売り場づくりがしっかりとできることが市田柿の強みとする一方で「年末の最需要期の数量確保が課題」としてあがった。輸出では本来の良い干し柿のイメージが定着しているとして、今後もブランドの維持を図ってほしいとした。