JAあづみは2月中旬の5日間、管内4会場で2025年度産の麦追肥指導会を開いた。近年は温暖化の影響で暖冬となり、麦の生育が進むことがあるため、適期の追肥作業を呼びかけ、多収量で高品質な麦生産を目指す。25年産の出荷計画は、2804t、生産販売高は3億円を見込んでいる。
同JAは、大麦2種、小麦3種を生産している。麦生産量は県全体の3割を占め、トップクラス。大麦は麦茶需要の高まりを受け24年産から「シュンライ」へ切り替えた。小麦は日本麺用の「しゅんよう」「しろゆたか」などを中心に約737haで栽培をする。
13日、安曇野市で開いた指導会には、穂高地域の生産者21人が参加。松本農業農村支援センター技術経営普及課の谷口岳志主任を講師に、25年産の生育状況を確認し、適期追肥作業や湿害対策などを学んだ。
麦は、追肥が重要な作業で収量や品質に直結する。2回の追肥を基本とし、1回目は「茎数確保」を目的に越冬後から茎立期の2月末から3月に行う。2回目は「品質向上」を目的に、登熟やタンパク質含有量の向上を図るため、止葉展開期の4月末から5月上旬を目安に行う。
追肥のタイミングや量が、収量やタンパク質含有率に関わるため、25年産も「麦の生育状況にあわせた適期・適量追肥」を心掛けてほしいという。
谷口さんは、「あづみは生産者の技術力が高く、品質の良い麦産地として期待が大きい」と評価したうえで、「品質面の安定化を課題として、適期適量の追肥を呼びかけていきたい」と述べた。