梨栽培激熱推進大会 産地としての発展を目指す

JA上伊那
栽培の省力化を目指し情報を共有する生産者ら
栽培の省力化を目指し情報を共有する生産者ら

JA上伊那果樹部会梨専門部は2月6日、梨栽培激熱推進大会を駒ケ根市のアイパルで開いた。2024年度は目標としていた販売高3億円を達成。25年度は栽培管理の省力化や生産意欲向上、試験品種の検討などに力を入れ、生産量の確保と産地としての発展を目指す。
大会は、今年度の課題を整理し今後の栽培管理に生かすことや、品質や生産意欲を向上させ産地拡大につなげることが目的。毎年開催し、生産者同士の交流を深める場にもなっている。今回は生産者やJA役職員ら約50人が出席した。
24年度は、夏場の高温による小玉果や過熟果が見られたものの、10月まで暑さが続いたことで消費者からの需要も長く続いた。アンテナショップやネット販売などによる販売促進活動にも取り組み、出荷量・販売高ともに昨年度を大きく上回った。また、新品種「南農ナシ6号」(品種名登録出願名=天空のしずく)の試食検討会や市場への試験出荷にも取り組んだ。
25年度は、全国的に栽培面積が減少する中でも消費需要が高まっていることから、上伊那では団地化や省力化が期待できる栽培方法の確立を目指す。専門部内に「上伊那ナシプロジェクト」を設立させ、栽培検討や現地試験に取り組むほか、県や市町村へ情報発信し新規就農者の確保にも力を入れる。
大会では、慣行仕立てよりも早期成園化が見込める平棚ジョイント栽培と剪定などの作業時間が大幅に削減できるⅤ字ジョイント栽培の特徴や課題を説明。実際に取り入れている生産者が、それぞれの利点や課題点を発表し、梨栽培の維持発展に向けて情報を共有した。
唐澤良忠専門部長は「梨の栽培面積は減少しているが、販売価格は安定している。情報発信することで仲間を増やし、再び梨産地として盛り上げていこう」と呼びかけた。

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