気候変動対策を強化 花き生産振興大会

JAみなみ信州
挨拶する木下部会長
挨拶する木下部会長

JAみなみ信州花き部会と同JAは30日、飯田市の同JA本所で「2024年度花き生産振興大会」を開いた。同部会員、同JA役職員、市場関係者、全農長野職員らおよそ60人が参加し、2024年度生産販売経過と2025年度生産振興方針を確認し市場との懇談を行った。
同部会の木下忠利部会長は「昨年は夏の高温など花にとって過酷な栽培環境となり大変苦労した。こんな時こそ皆さんと力を合わせ、逆風を力に変えて良い花をつくっていきたい」と力強くあいさつした。
2024年度は夏場の高温や集中豪雨による病害虫被害発生、品質低下などに苦慮したが、生産者の防除による品質向上や同JA総合集荷販売センターでの検品作業も重ねて行い品質の安定に努めた。販売では2週間単位での市場への情報提供を行い、市場ニーズに応えマリーゴールドを振興し29万本(前年7万4,000本、前年比390%)の販売実績となった。全体では24年12月末の販売金額は約5億727万円(前年比90%)となった。
同部会では販売金額8億円を掲げ、メインから実物、草花まで季節感のある花きを通年出荷できる産地としてダリアやデルフィニウム、ほおずきやケイトウ類、ビバーナム類や南天に加えユーカリやマリーゴールドなどを中心に生産振興に取り組む。天候不順に左右されない産地づくりが重要であるとして施設化や潅水設備の整備推進、定期的な予防防除の徹底などを強化する。また同部会ダリア専門班では25年度新規生産者が17人増える予定。既存生産者と新規生産者でグループ分けをして産地強化に取り組む。
同JAの寺沢寿男組合長は「花きは女性や兼業農家にとっても取り組みやすく、この地域に合った生産が行われている重要な品目。温暖化がさらにすすむ中ではあるが、生産者の皆さんと一緒になって産地の生きる道を探っていきたい」と話した。
市場からは「他にない少量多品目産地」と評価し、「産地からの情報提供の精度を上げることでより戦略的な販売ができる」と期待する声があった。
同日にフリーライーターの高倉なをさんを講師に他産地情報と花き産地形成について研修を行った。全国の産地100か所以上を取材して回る中で印象に残った産地をあげ、魅力ある産地づくりについて講演した。

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