JA上伊那リンゴ栽培推進大会 品質向上にむけて情報交換

JA上伊那
リンゴ栽培について学ぶ参加者
リンゴ栽培について学ぶ参加者

JA上伊那果樹部会りんご専門部は1月29日、リンゴ栽培推進大会を伊那市のJA本所で開いた。生産者やJA役職員ら75人が出席し、2024年度の栽培を振り返った。24年度は計画の販売高8億円を達成。長期目標の10億円を目指し25年度は、優良園地の視察研修や講習会などによる情報収集、新系統の導入に力を入れ、上伊那全体のさらなる生産力向上を目指す。
同大会は課題を整理して、さまざまな情報を共有し今後の栽培管理に生かすのが目的。品質や生産意欲の向上、生産拡大につなげる。
24年度は、夏場の高温や降雨量の多さによる着色の遅れや胴割れの発生、カメムシの吸汁害による品質低下で、出荷数量は前年比89%の2100万トン(1月14日時点)にとどまった。一方で、販売情勢や需要期を考慮した出荷調整などが有利販売につながり、販売高は計画を上回った。
25年度には、同専門部内に立ち上げた「りんご高密植栽培研究会」を中心に、さらなる販売強化や栽培技術の確立、品種戦略に取り組んでいく。今春には、上伊那の主力リンゴ「ふじ」の新たな系統の苗木を新植し、近年の気象に対応する優良系統の検討や有利販売に向けた品種構成確立のため、試験栽培を本格的に始める。
大会では、今年度問題となったカメムシの吸害と見た目がよく似たカルシウム欠乏による生理障害があると紹介。症状の違いや見極め方を説明し、考えられる原因などを共有した。そのほかにも、発生が多く見られた病害虫の特徴や対策なども確認した。
同部会の成澤晃明部会長は「販売価格や品質を向上させることで、自分たちの満足感も高まる。今年度の反省を生かして来年の栽培につなげてほしい」と呼びかけた。

MENU