セルリー生産者大会・作付け指導会および試験報告会 新規登録薬剤の確認

JA信州諏訪
「セルリー薬剤散布法検討試験」について発表する木村担当
「セルリー薬剤散布法検討試験」について発表する木村担当

JA信州諏訪野菜専門委員会セルリー専門部会は1月14日、富士見町のJA会館ふじみで生産者大会・作付け指導会および試験報告会を開いた。セルリー疫病対策薬剤として新規登録された「ユニフォーム粒剤」の使用方法を確認。薬剤の効果的な散布方法、高温対策などの試験報告があった。関係者全員で、2025年産セルリーの高品質・安定生産に向けて意思を統一した。
管内産セルリーは夏秋期の生産量が日本一。品質向上と生産者の意欲向上を目的に毎年、大会を開いている。部会員やJA役職員の他、来賓としてJA全農長野、講師として長野県野菜花き試験場、諏訪農業農村支援センターの担当者ら計56人が出席した。
セルリー疫病は、苗で発生すると甚大な被害を受ける。このことから、「ユニフォーム粒剤」が昨年10月30日に登録となった。定植時に1回株元散布することで、土壌病害に安定した効果に期待がかかる。品質の劣化を防ぎ、高品質な収穫をサポートできる。
試験報告では、茅野市のJA茅野市営農センター南部センター営農指導係の木村百花担当が「セルリー薬剤散布法検討試験」について発表。セルリー萎縮炭疽病対策の一環として、同時期に防除を行っても農家間で効果が大きく異なる事例が見られることや、同じハウス内でも畝によって病害の発生状況が異なることから調査した。複数の株付近に感水紙を設置して手散布を実施。結果として「薬液がかかっていない株もあった」と報告。灌注竿は水平振りだけでなく、株横や葉裏にも十分にかかるようにすること、防除体系の見直しやほ場環境の調査を行う必要性があることを説明した。
また、同試験場の担当者が、ミスト散水を活用した露地高温対策の試験結果を報告。対象区よりも生育が優れ、芯腐れが少ない傾向にあったが、安価で広範囲散布できる使用資材の検討や散布方法を改良していく必要があるとした。
作付け指導会では2024年度の生産で発生した病害や障害などの課題を振り返った。2025年は、育苗期では気温や地温、かん水に注意し、適切な育苗環境を確保。本葉2枚程度で仮植し、25~30日後に鉢上げすることを確認した。定植以降の育苗管理の充実も図る。
同委員会の中村武彦委員長は「2024年度は生産コストの高止まり、病害など大変苦労した1年だった。セルリー疫病の対策となる薬剤が新たに登録されたことは良かった。2025年産の育苗が始まっている。今年はセルリーにとって良い環境で栽培できることを祈っている」と挨拶した。

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