JAグリーン長野もも部会は1月20日から22日にかけ、3会場で「疎植低樹高仕立て(篠ノ井流大草仕立・大藤流仕立)の講習会を開いた。疎植低樹高栽培は「高品質・軽労化等を目的」とした樹の仕立て方で、生産者の高齢化や樹園地の維持対策として積極的に推進している。
このうち、「篠ノ井流大草仕立て」はJA管内篠ノ井地区の生産者とJA営農技術員が研究開発した技術。山梨県の大草流をモデルにした仕立てで、主枝・亜主枝を放射状に誘引し、樹形を逆さ円錐形にし、主枝・亜主枝の先端が垂れないように帆柱を使用して針金で釣り上げる等し、作業効率を上げる。枝の重なりも解消され、日当たりもよく、薬剤防除等も効果的に行えるために、品質も上がる。栽植時に樹間を9~10メートル空けるか、もしくは千鳥植えなどで一定間隔を保ち、園内に軽トラックやスピードスプレーヤーを入れやすく、農薬散布・収穫の作業手間も軽減される。営農技術員によると、近年、新たに定植する定年帰農者をはじめ、広面積を管理する若手生産者の多くが、経営や労力確保の状況に合わせて低樹高を意識した仕立て方に取り組んでいるという。
22日に長野市松代町地区で初めて開いた講習会には、生産者20人が参加。技術開発に携わった営農技術員が定植後の苗木、2年生の樹、5年生の樹をモデルに、整枝・せん定技術を実演しながら指導した。営農技術員は骨格枝の樹勢を適正に維持するための側枝の配置や処理などを説明。「自分以外の誰が管理しても同じように管理できる樹が一番良い樹である」として、桃の生態を理解し沿った管理が必要であることや、桃づくりは着果管理も重要になるため一年を通して仕立てを考えることの重要性を説いた。
参加した生産者は「まだまだ理解しきれていない部分もあるが、今年植えた苗木に対して指導通りの作業を行って、より良い樹を作れるようにしたい」と話した。
JAでは引き続き、同栽培法の導入に努め、特産品「モモ」栽培の維持拡大をはかる考えだ。