帰農塾でゼロカーボンの具体的な取り組みを学ぶ

JAみなみ信州
剪定枝の炭化実演(長野県松川町で)
剪定枝の炭化実演(長野県松川町で)

長野県とJAみなみ信州が行う「帰農塾」は15日、受講生ら11人が参加し松川町のほ場で基礎講座「無煙炭化器の活用」について講座を開いた。長野県でも取り組む農業分野でのゼロカーボン推進の取り組みの一環で、地域循環型農業・環境にやさしい農業の具体的な実践方法として帰農塾にも取り入れた。
この日は炭化器を用いて実践する北沢章さん(松川町)のほ場で剪定枝をバイオ炭化する方法を学んだ。無煙炭化器で炭化し土壌に施用することでCO2排出を抑え、さらに炭素を長期間土壌に貯留できる。説明した南信州農業農村支援センターの山近龍浩担当係長は「手間は多少かかるが最終的には農業にプラスに働く良い取り組み。農業分野から環境問題対策に少しでも貢献できるよう取り組んでほしい」と話した。受講生は動画や写真を撮りながら熱心に受講した。
参加した受講生の菅沼八重さん(松川町)は「以前から興味があり、詳しいことが聞けて良かった。環境変化や省力化を考えるとこれまでの栽培方法では通用しなくなるのではと心配している。基礎的な内容に合わせてもっと先進的な内容も学びたい」と話した。
同日にロボット草刈り機を活用した除草作業の無人化・省力化についても説明した。長野県では無煙炭化器の無料貸し出しのほか、農畜産業振興事業補助金(信州農業生産力強化対策事業)などを活用し果樹剪定炭化器や自動草刈り機などのスマート農業導入を支援しており、今後のそれぞれの農業に活用してほしいとした。
帰農塾は新たに農業を始めたい人や直売所などへの出荷を目指す人に向け講座を開いており、現在来年度の受講生を募集中。受講生全員が対象の基礎講座と、6つの専門講座(ぶどう、柿、なし、きゅうり、アスパラガス、ピーマン)からコースを選択して受講する。各コース年間5講座程度を開く予定。(申し込みは2月14日まで)

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