夏秋いちごの重要害虫「アザミウマ」 年々被害増加 講演会を初開催

JAあづみ
夏秋いちごの害虫を解説する糸山享教授
夏秋いちごの害虫を解説する糸山享教授

JAあづみ夏秋いちご部会は12月下旬、明治大学農学部の糸山享教授を講師として招き、「夏秋いちごの重要害虫とその管理-ヒラズハナアザミウマを中心として-」の講演会を開催。部会員や同JA営農指導員、支援センター、試験場、全農長野ら25人が参加した。
あづみ管内におけるアザミウマ被害(主にヒラズハナアザミウマ)は、シーズン全体で見ると被害は約2~3割。しかし、アザミウマ類の生育サイクルが早まる夏期には、被害が5割を超える。近年、気温の上昇や農薬に対する抵抗性の獲得などが影響し、防除が難しくなっているため、対策に苦慮している。こうした中で、害虫への理解を深め今後の対策を講じるための足掛かりとして講習会を初開催した。
講演会では、促成いちごの害虫管理から始まり、次にアザミウマ類やヒラズハナアザミウマの特徴、最後に夏秋いちごの害虫管理を解説。害虫の種類や発生の違いを再確認した。世界で5000種類いるアザミウマだが、日本には200種類、そのうち20種類が重要な害虫とされている。20種類の中でも5種類が甚大な被害を及ぼす重要害虫とされており、糸山享教授は「早期発見と防除の重要性が鍵となり、総合的害虫管理(IPM)として一つで対策できるものはない。そのため、コストを考えながら、「主力」「助力」「後方支援」の3段構えなどを重要視してほしい」と述べた。営農経済事業部農産課の増田真生指導員は「今回ご講演いただいた内容を基に今後の夏秋いちご指導に役立てていきたい」と述べた。

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