上伊那農業農村支援センターと伊那市、JA上伊那は12月23日、上伊那農業高校(南箕輪村)で「農業の魅力発見セミナー」を開いた。同校の生徒や同村にある信州大学農学部の学生ら約20人が参加。若手農業者やJA職員が、就農の経緯や農業への想い、上伊那地域の良さなどを講演した。
同セミナーは、地元の学生らが農業と地域の魅力を再発見し、将来、若者の力で地域や農業を支えるきっかけづくりを目的に、2015年から開催している。
農業未経験から就農し、現在では伊那市内の農業法人の中心メンバーとして活躍している長野市出身の藤綱史樹さん(56)は「すべてのキャリアは農業に通ず」と題して講演。会社を退職し、農業を始めようと自分で水路を引いて農地を作ったことや、生産している酒米の育苗から収穫、2024年には販売まで関わったことを紹介し、苦労することすら楽しいと、これまでの取り組みを振り返った。
藤綱さんは「農家は、それぞれが持っているキャリアの全てを生かして、日々の栽培に取り組んでいる。これから、学校生活やバイト、就職などたくさんの経験をして、それを農業に生かすことができたら、楽しい農業生活ができる」とエールを送った。
このほかに、辰野町の果樹農家の宮澤岳徳さん(46)と同高校の卒業生でJA職員の唐澤純夏さんが(23)、農業や上伊那地域の魅力を伝えた。
参加した生徒は「いろんな話が聞けて良かった。これからの進路の参考にしたい」と話した。