JAみなみ信州柿部会と同JAは23日、飯田市の同JA本所で「第4回市田柿品質コンクール」審査会を行った。同JA市田柿の品質レベルの底上げと生産技術の均一化を図り、部会で目指す最高品質の市田柿を選出しようと毎年コンクールを行っている。今年は原料柿の大玉傾向や高温高湿など例年にない難しい加工環境の中でも170gトレーの部15点、700g化粧箱の部11点、バラの部17点の出品があり3部門あわせて最優秀賞2点、優秀賞1点を選出した。
あいさつに立った同部会の松澤正芳部会長は「今年は加工作業に大変苦労したが、生産者の努力と高い栽培技術で良い柿が出来上がった。これからも部会全体で技術レベルを高めていきたい」と話した。
審査員は長野県南信農業試験場、南信州農業農村支援センター、一社)長野県農村工業研究所、長野県農政部職員ら7人が務めた。市田柿の加工品質に重点をおき、品質状態(乾燥状態・粉の具合・色上がり・大きさと形状の均一性・果肉状態・食味)に加え、荷造りや見栄えといった包装技術や商品性も総合的に審査した。
審査長を務めた長野県南信試験場の小川秀和場長は「厳しい環境の中でもこれだけの高品質な市田柿が出品されており、生産者の皆さんの技術の高さを表している。回を重ねるごとに品質レベルも上がっており、コンクールを目指すことで部会全体のレベルアップにつながっている」と話した。
同コンクールの受賞者は受賞から5年間、同JA市田柿最高品質商品「匠の頂®」の特殊荷造りで出荷ができる。今年度もこれまでの受賞者11人による出荷が行われており、23日現在700g化粧箱135箱、170gトレー6箱(1箱5.1kg)を出荷し、化粧箱は今月26日頃まで、トレーは来年1月下旬頃まで出荷が続く。市場や売り場での認知度も上がっており百貨店などで高値で取り扱われ、同JA市田柿ブランドをけん引する存在となっている。同コンクールの表彰は来年3月の市田柿生産販売反省会で行う予定。