JAみなみ信州花き部会ダリア専門班は17日、飯田市の同JA本所で同班員、同JA職員、全農長野、南信州農業農村支援センター、秋田国際ダリア園の29人が参加し「栽培検討会」を開いた。栽培技術の向上や産地づくりのため定期的に栽培検討会を開いている。同班では来年度から新規就農者が11人増える予定。今年度の生産販売経過と来年度への課題を確認し、産地全体の品質向上や今後取り組む品種について具体的な検討を行った。
同班の久保田直之班長は「今年は夏場の管理に苦労したが班員同士が助け合い、高め合うことでなんとか乗り切ることができた。来年度は新規の方々にダリア栽培に定着してもらえるよう班全体の結束力を強め、産地をさらに大きく盛り上げていきたい」と話した。
今年度は病害虫による被害や、夏場の高温で開花が遅れるなど天候不良の影響も受けたが、生産者による対策と秋以降の気候に恵まれたことから11月末現在取扱数量737,352本(前年比105%)、販売金額約1億458万円(前年比99.5%)となっている。
来年度からは新規就農者を含めて班全体でさらなる品質の向上・均一化を図るため、班全体の事業を継続しながら①「Aグループ(既存の生産者)」は出荷説明会や巡回など既存の事業を掲継続、②「Bグループ(新規生産者(1~3年目))」は栽培技術の安定・向上を中心に活動(土づくり・防除等指導会実施)と2つのグループに分け活動していくことも確認した。また生産量増に伴う販売経路の確保や輸出事業の検討も同JAと連携して行っていく。
同検討会では同班の育種元である「秋田国際ダリア園」の鷲沢康二園長から市場のニーズ、品目の特性などを考慮した栽培品目の紹介や、同JAオリジナル品種開発の提案などがあり、生産者と意見交換する中で具体的な検討が行われた。また細霧冷房などの施設整備、遮光資材を用いた高温・生育不良対策にも取り組み、年間を通した品質向上を目指す。ハウス栽培では一部園地で温度管理が遠隔で行える環境モニタリングシステムを試験的に導入するなどスマート農業にも取り組む。