信州伝統野菜「上野大根」の理解醸成へ 親子で学んで楽しく漬物づくり

JA信州諏訪
上野大根のわっこ漬けづくりを体験する親子
上野大根のわっこ漬けづくりを体験する親子

諏訪市農業技術者連絡協議会主催の信州伝統野菜「上野大根」の勉強会、上野大根のわっこ漬けづくり体験が11月30日、諏訪市公民館別館で開かれた。諏訪地域在住の親子5組計14人が参加し、上野大根農事組合協力のもと初開催。参加者は上野大根の歴史や特徴を学び、子どもでも食べやすい甘じょっぱい味わいの「わっこ漬け」づくりを楽しんだ。
同協議会は諏訪市農林課、JA信州諏訪、諏訪農業農村支援センター、長野県農業共済の4団体で構成。今回は、高齢化による農家の減少などで上野大根を取り巻く生産状況が厳しくなっていることから、上野大根の魅力を若い世代に周知し、理解醸成の機会にしようと企画した。
上野大根は、同市で江戸時代初期(1635年頃)から栽培されている。固さと辛みが特徴。収穫後、洗って天日干しをすることで甘みが増し、コリコリとした歯ごたえの漬物になる。
上野大根農事組合の笠原憲一組合長が、わっこ漬けの作り方を説明した。上野大根を熱湯にくぐらせて消毒した後、参加者は3ミリくらいの薄さで輪切りにした。その後、ザラメと醤油、酢を好みの配合で混ぜ合わせて保存容器に入れ、上野大根を加えて密封した。冷蔵庫内に入れて2週間から1カ月ほど漬け込み、味わってもらう。
娘(10)・息子(5)と参加した同市の女性(45)は「上野大根の漬物は知り合いにもらったことはあるが、自分たちでつくるのは初めて。親子で楽しくできてよかった。漬け上がりが待ち遠しいです」と話した。
笠原組合長は「上野大根は有名であるものの、生産者が減少しており今後の存続が心配される。上野大根・漬物の文化を維持し、後世に残していくため、今日のような活動を今後も大切にしていきたいと思う」と語った。

MENU