バイオ炭生産プラントが稼働開始/持続可能な農業への第一歩

JA大北
出来上がったバイオ炭(長野県北安曇郡松川村で)
出来上がったバイオ炭(長野県北安曇郡松川村で)

JA大北では、松川村のJAカントリーエレベーター隣接地に建設された自動もみ殻炭化装置「バイオ炭生産プラント」が、11月上旬より稼働を開始。米の生産過程で発生するもみ殻を効率的に炭化し、バイオ炭を生産するための施設である。バイオ炭は土壌改良材として利用されるほか、炭素を長期間土壌に固定することで温室効果ガスの削減にも寄与。また、連続的に炭化を行うことができ、炭化後の排ガスはガス燃焼させ黒煙や臭いを出さないという特徴がある。もみ殻に含まれる炭素は、そのままにしておくと微生物の活動等により分解され、二酸化炭素として大気中に放出されるが、炭化しバイオ炭として土壌に施用することで、その炭素を土壌に閉じ込め(いわゆる「炭素貯留」)、大気中への放出を減らすことが可能となる。
 プラントの南側に設置されたもみ殻を入れておくシートハウスには、最大約46トンのもみ殻を収納可能。ここから、1日でタイヤショベルカー10杯分、重さ約800キロを超えるもみ殻を取り出し、炭化装置に投入。炭化装置では、もみ殻を約500℃前後で炭化し、その体積は約4分の1に減少。1日約8時間稼働で約200キログラムのバイオ炭を製造し、100リットルの袋(約10キログラム)に詰めて、約20袋を生産することができる。生産したバイオ炭は、土づくりのため田畑にすき込んだり、白馬村の「はくばアルプス農場」(SPF豚農場)から作り出される堆肥の脱臭材として活用され、管内における野焼きの減少や農場周辺の臭気改善が期待されている。同JAでは「この取り組みにより、もみ殻を有効活用し、循環型農業への第一歩となるよう、地域の組合員の皆さまと共に、持続可能な農業を目指していきたい。今後も環境保護と農業の発展を両立させるための努力を続けていきたい」としている。

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